不眠症の見分け方
過去何年間もほとんど寝ておりません、と言いながら、血色がよく、食欲旺盛で、仕事の能率のよい人がいます。
これは明らかに第2種の不眠症で、しかも実際以上に不眠を恐れ、自己の故障を過大に感じる不眠ノイローゼです。
こうした人々に限って「これほど羽毛 ふとんで眠れなければ内臓がおかされて、死ぬのではないか」と真剣に恐れ戦くのです。
そこで次には、そうしたいわれのない不安や恐怖を解くために、動物や人間をつかって、長時間不眠を起こさせた実験(これを断眠といいます)を紹介し、その影響と危険性の実態をたしかめようと思います。
・・・人間や動物から睡眠を奪ったらどうなるか、ということは甚だ興味ある問題です。
これについての最初の動物実験は、1894年マナセーヌが仔犬を使って行なったものです。
彼は仔犬を4~6日間強制的に眠らせぬようにしたところ、いちじるしい体温の下降、赤血球の減少(後には血液が濃縮したために増加しました)を示し、ついに死亡しました。
それを解剖したところ、大脳灰白質の毛細血管が破れて出血を起こしていたといいます。
その5年後にタロッチが、3匹の成犬を立てつづけに歩かせて断眠の実験をしています。